【読書記録】きみは赤ちゃん/川上未映子 著
概要
『乳と卵』で芥川賞を受賞した川上未映子氏による妊娠・出産をめぐるエッセイ。
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感想
個人的にはつわり描写No.1エッセイと呼びたい。
妊娠初期に読み、前半のつわり描写が生き地獄ぶりを見事に描写しており、ついに私の代弁をしてくれる本が見つかったと感動した。
本書でも指摘しているように「言霊信仰」的に妊娠についてはポジティブな語り口のものが世に溢れている中、本書ではつわりの辛さや、爆発する食欲、謎のムダ毛に悩まされる話、産後の乳が垂れる話、歯が欠ける話などネガティブな面も赤裸々に書かれており、妊娠について全てをポジティブに捉えられない私を肯定してくれたようで読んで勇気づけられた。
ちなみに『乳と卵』で授乳が終わった乳を「ぶら下がった二枚の靴下」と形容していたのだが、実際に卒乳を経験した著者が改めてなんと形容しているかもぜひ確認して欲しい。